柿渋は、夏の盛りに青い渋柿の実を絞り、絞った果汁を長期自然発酵させたものです。柿渋染色に使う柿渋は、少なくとも1年以上発酵させたものであれば特に決められた基準などありませんが、発酵2〜3年以上のものが着色性、発色性の点で適しています。(「柿渋クラフトをたのしむ」より)
月に一度参加させていただいている「藍で染めようの会」で柿渋液作りをしてきました。ミキサーで撹拌したり、そのまま木槌でバンバン砕いたり、さまざまな潰し方がありますが、藍染めの会ではとても丁寧な方法で作業しました。まず、朝どりした渋柿のヘタを取って、包丁で薄くスライスしていきます。そのあと、厚手のビニール袋(お米の袋やジップロック)に入れ、木槌でさらに叩いて細かく潰していきます。※鉄製の金づちは使用できません。
プラスティック製かステンレス製の容器に細かくした柿を入れ、柿が浸るくらいの水を注ぎます。この時使用した水は数日前から水道水をペットボトルに入れ、ベランダに置いておいたカルキの抜けた水を使いました。(メモ:渋柿1.6キロ/水2.5L)
1日1回木べらなどでかき混ぜます。これを1週間から10日行います。虫が入ったりするのでフタをしておきます。
柿渋液を仕込んでから9日目の液です。柿渋液独特の臭いを放ってきたので、ザルで濾してペットボトルに入れます。
1番液は2.5L分取れました。しばらくは柿渋液が発酵を続けますので、ペットボトルのフタはゆるめに締め、時々プシュッとガス抜きをしてあげます。涼しい場所で1年ほど保管してから使用します。
もう少しいけそうでしたので、2番液を仕込みます。
搾りかすと水を入れてミキサーで撹拌します。
1番液と同じように1日1回かき混ぜて、1週間後くらいに濾して、ペットボトルに入れます。
柿渋はエコな染料だなと思います。火も薬品も使わないし、たんぱく処理も必要ないし、鍋などの特別な道具もいりません。柿渋液に浸して絞ったら、あとは太陽におまかせ。柿に含まれるタンニンが空気で酸化され、ゆっくりと茶色に変化していきます。柿渋は、塗り重ねると生地の風合いが堅くなり強度が増します。昔は、漁網などを丈夫にするために柿渋を塗ったそうです。
メモ:素手で作業すると手がぬるぬるするので、ゴム手袋をして作業すること。収穫後その日のうちに作業を終わらせること。2番液は水1.8Lくらい入れた。