草木染め大全(箕輪直子著)とハーブティーブレンド100(しばたみか著)の本を眺めていると、それぞれ載っている情報が違っておもしろいなと思います。草木染め大全には染色の色見本や日光堅牢度のことが細かく書かれています。ハーブティーブレンドの本には、ハーブの持つ主要成分が載っていて、この2冊を照らし合わせて見ると、なるほど〜と分かったことがあります。
草木染め大全によりますと、シソ科のハーブで染めた色は日光堅牢度が良好なものがほとんどで、例えばラベンダー、オレガノ、バジル、ローズマリー、ミント、タイム、セージなどです。
ハーブティーブレンドの本で、シソ科のハーブの主要成分を確認してみると、これらのハーブにはタンニンが含まれていました。タンニンが多く含まれる植物で染めると色が長持ちします。このブログでもよく登場するヤシャブシや柿渋などがそうです。
シソ科のハーブ類で染めた色見本のグレーが美しく興味が湧いたので、3種類のハーブを使ってナチュラルハーブ染めをしてみることにしました。畑で育てているホーリーバジル、アップルミント、ラベンダーを摘んできて、シルクのハンドウォーマーを染めました。
ホーリーバジル。今の時期は花が終わり、種がつきはじめました。
アップルミント。ミント類は広がってしまうので、土手に植えています。
ラベンダー。
今回もシルクのハンドウォーマーを染めます。シルクは動物性繊維でタンパク質を含んでいますのでたんぱく処理は行いません。その他の工程は木綿や麻を染める時と同じです。
3種類のハーブを適当にカットして、大鍋の半分くらいの量のハーブとひたひたの水を入れ、30分ほど煮出して1番液のみを使いました。煮出した後のハーブは畑のコンポストに入れて土に還します。
ハーブを煮出している間は部屋中ハーブのいい香りに包まれます。煮出した液は濃いハーブティーの色。このまま飲んでも大丈夫。
弱火でことこと30分ほど煮染めしました。これが媒染なしの色。ごくごく淡いベージュ色です。この色ですと、タンニン下地としても使えそうな色です。
今回は、鉄媒染した時の色が見たかったので、鉄媒染をします。煮染め→鉄媒染→煮染めを繰り返して、乾かした色が下の写真の色です。少し緑がかったグレーになりました。少し多めに木酢酸鉄液を入れたので、濃くなったかもしれませんが、調整すればもう少し緑の強い色になりそうな予感がします。ハーブの香りも少し残っていて、リラックスできそうなハンドウォーマーになりました。
畑のものを摘んできて、フレッシュな状態で染められるなんて、贅沢なことだなとしみじみと思いました。
【今回参考にした本】