草木染め9:藍の生葉の発酵煮染め

藍染めも、生葉染め、すくも藍、沈殿藍、化学建てといろいろな方法があります。今回は、藍の生葉を収穫できる時期限定の染め方「藍の生葉の発酵煮染め法」です。

藍の生葉の発酵煮染め法とは、「藍の生葉を容器の中に入れて発酵させ、その中に水を加え、成分を溶け出させる。この液を煮出して赤紫を染める方法」です。

シルクはそれはそれはもう美しい紫色に染まります(上の写真)。ウールもまあまあ紫色、木綿は少しグレーがかった淡い紫色に染まります。オススメはやっぱりシルクです。この初秋に、ちょうどタイミング良くこの煮染め法を教わる機会があったので、自宅でもやってみました。成功のような、失敗のような、まだまだ回数を重ねないと習得できない染め方です。

まず、畑から茎ごと藍の生葉を刈り取ります。蓋付きのポリバケツに茎のまま葉を下にして詰め込みます。新鮮な葉っぱであれば、あまりきれいな葉じゃなくても問題ないそうです。

藍の生葉の発酵煮染法

必ず蓋をして、日の当たる場所に5日間置く。5日後の葉っぱの状態は、黄色や黒く変色しかけてはいるが、ほとんどが緑色の状態です。

藍の生葉の発酵煮染法

草がかぶるくらいの水を入れて、フタをして、2日間くらい置く。時々液の色を確かめる。

藍の生葉の発酵煮染法

液の色が薄い緑色になっています。これは成功です。ここで、薄茶やオレンジ色になっていると時間を置きすぎた状態で、赤紫を染めることはできません。

藍の生葉の発酵煮染法

この時の液の香りは、、、臭いです。なんだろう?独特な臭いなのです。カメムシっぽいかな?

藍の生葉の発酵煮染法

葉っぱを取り出した液を火にかけます。沸騰させて20〜30分ぐらぐら煮ます。この時、泡がたくさん出てくるので、お玉で丁寧に取り除きます。しばらくすると、とても微妙な変化なのですが、液の色がさっと赤みがかってきます。※液自体がはっきりと赤くなるわけではありません。

藍の生葉の発酵煮染法

そこへ布を入れ、15分くらい煮染めします。水洗いして陰干しします。

藍の生葉の発酵煮染法

ウールの糸はほんのり紫色。木綿のストールは、グレーがかった淡い紫色になりました。

まだまだ経験不足なので、煮出す時間や染める時間など曖昧ですが、来年もこの方法で染める機会があればやってみる予定です。