前回の草木染め5と同じヤシャブシです。今回は染める手順を(ちゃんと)載せたいと思います。ヤシャブシはタンニンが多い植物なのでよく染まります。柿渋もタンニンが多いので、染める布をたんぱく処理せずに染められます。ということは、ヤシャブシもたんぱく処理なしでも十分に染まるだろうと考え、今回はたんぱく処理なしで染めたいと思います。いつもはサンラーゼ酵素で生地の糊をしっかり落とすのですが、今回は熱めのお湯に一晩つけただけの簡単糊落としにしました。ちなみに簡単糊落としがいいのかどうかは分かりません。染めムラが嫌な方にはオススメしません。私はむしろ染めムラがどうやったら付けられるかの方に全力を注いでいます。
【材料】 木綿の布1Mx1M 2枚 ヤシャブシ約100g おはぐろ媒染液 水
毎回参考にしているのは、こちらの本です。
今ごろの時期になるとヤシャブシが拾えます。拾って、洗って、乾かして置けば、何年かは保存可能です。今回のヤシャブシは1年前に拾い集めたものです。ヤシャブシは、染め専門店でも販売していて購入することができますが、びっくりするくらい高いのですよ〜
まず布の重さを量ります。
布の重さと同じ量のヤシャブシを用意します。
ヤシャブシが入るくらいの小さめの鍋を用意します。大きい鍋でも良いのですが、何度も煮出す場合は、小さめの鍋の方が作業が楽です。
ひたひたの水を加えます。今回の鍋には1リットルの水が入りました。
火にかけます。写真のように沸騰したら、そこから約15分間煮出します。火加減は中火くらいにします。
煮出した液をどんどん大鍋に移していきます。ザルを鍋に引っ掛けて、
不織布をかぶせて、植物のゴミやかけらが入らないように濾します。
そっと鍋を傾ければ、鍋の中のヤシャブシが落っこちずに濾せます。
2回目も同じようにひたひたの水を注ぎます。
火にかけ、沸騰後約15分間煮出します。これを5回繰り返します。合計5リットルの染液が用意できました。3番液まで煮出すのが一般的のようですが、ヤシャブシの場合は何度煮出しても色が出るので、多めにしました。
布を染液の鍋に入れ、中火でコトコト30分煮染めします。その後、冷めるまで染液の中に布を入れたまま置いておきます。
次におはぐろ媒染液を作ります。本に載っていた方法で作った手作りおはぐろ液です。水と酢と錆びた鉄を鍋で煮て作ります。
布100グラムにおはぐろ液を30cc用意します。おはぐろ液が手に付くと鉄臭くなるので、透明のプリンのカップなどにあらかじめ30ccの位置に線を書いておけば、ささっと計量できます。
布が泳ぐぐらいの水に30ccのおはぐろ液を入れます。水の量ってどのくらい?と悩むところですが、私の場合はだいたい布が浸るくらいの水の量にしています。
布をしっかり絞ってから(水洗いはしていません)、おはぐろ媒染液に浸します。
最初は全然色が変わりませんが、30分くらい時々動かしていくと、だんだん色が変わってきます。この後は、水洗いし、再度染液に戻し入れ「30分煮染め→媒染液に浸ける→水洗い」を好きなだけ繰り返します。
こんな色になりました。白と黒の布を両端に置きました。1枚目の布は、左側の茶色がかったグレーになりました。2枚目の布は、1枚目が染め終わった染液で2度ほど煮染めし、同じようにおはぐろ媒染したものが右のグレーです。1番目に染めた布が濃いグレーになるだろうと思っていたのですが、結果はなぜか薄い染液で染めた布の方がグレーになりました。なぜ?!草木染めってほんと不思議です。