先日、横浜市の小学校でお話をさせていただく機会をいただきました。「総合学習」という授業の中で、草木染めにチャレンジしている子どもたちに、私がふだんどんな風に染めものをして、どんな作品を作っていて、畑ではどんなものを育てているかなどについてお話をしてきました。
子どもたちといえども、大勢の人の前で話した経験がないし、そもそも人前に出るのは大の苦手。大人のくせにと言われてもしょうがないのですが、苦手なものは苦手なのです。今年はなぜかそれを克服させるかのような話が舞い込んだ試練の年でした(笑)。年の初めはNHK Eテレの「趣味どきっ!染めものがたり」という番組出演。そして年の終わりは小学校でのお話会。どちらも私自身と向き合う貴重な時間で、自分の仕事について改めて深く考える機会となりました。
子どもたちには少しでも興味を持ってもらったり、楽しんでもらいたくて、初個展の時に作った自己紹介パネルを子どもたちバージョンに作り直して持っていきました。
みんなの反応はとても良くて、持参した草木染めの布やモダンキルト、その他の作品にいちいち反応してくれてとても嬉しかったです。大人とはまた違った反応で、とてもストレートで気持ちのよいものでした。「草木染め」という共通の話題があったからこそ、子どもたちといっぱいお話しをすることもできました。子どもたちのキラキラした目が印象的でした。
今回ひとつ気付いたことがありました。草木染めを通して自然の美しい色を伝え、その美しい自然を守るためにできることを考えていくこと、環境のことを考えて農薬や肥料を使わずに畑で植物を育てること、そして野菜の種を未来につなぐこと全部が、子どもたちのためにもなっているんだということに気が付きました。そこの部分をブレずに取り組んできたことは、やっぱり間違っていなかったんだと思えたし、これからもそこを追求しながら作品作りや畑と向き合っていきたいと思いました。
今回関わってくださった熱意ある先生方、優しい眼差しで迎えてくれた子どもたちに感謝の気持ちでいっぱいです。今後は子どもたちに何か還元できるような取り組みを続けていけたらなと思っています。