母のおさがりのリネンのエプロン。母が買ったものだから20年くらい経っていると思う。このエプロンは、最初は料理用に使っていたけれど、汚れてきたので作業用のエプロンになった。特にブランドものでもないし、作家さんが作ったものでもない普通のエプロン。きっと近所のお店で買ったものだと思う。生地の厚さや体にフィットするカタチが気に入っている。あちこちに油はねやシミが付着していて、少し恥ずかしくなってきたので、ヤシャブシの実でベージュに染めてみた。染めたのはいいけれど、色が薄くて汚らしさが倍増した。もう少し別の色にしてみようと、タマネギの皮を使って、焦げ茶色に染め直した。
エプロンのヒモも汚かったので、染める前にカットして、あとでヒモを作って付けた。エプロンの重さは約150g。たまねぎの皮は大鍋いっぱいで100g。
濃染処理をしたあとに、1番液でぐつぐつ煮染め。
赤茶色に染まった。
鉄媒染して焦げ茶色に変える。乾くと半分くらいの濃さの色になるので、ここで真っ黒にしておくとちょうどいい色になる。
乾いた後の色。焦げ茶色にはあと一歩っていう感じ。
ヒモは、コーヒーで染めた布を使って作った。バイアスでカットして、何枚か繋げて必要な長さにする。
最初、白の綿テープをヒモにしようと準備していたら、ダサいと横やりが入って作ることに。ヒモって大事だけれど、売り物じゃないからそんなに時間をかけたくなかったのに、ダサいっていう言葉に火がついた(笑)
完成したエプロン。ヒモに使ったコーヒー染めの生地はなかなかいいかも。出がらしを使うのでエコだし、香りも残っている。そんなに濃く染まらないけれど、わりと日光に強い印象がある。コーヒー屋さんにコーヒー染めの暖簾をかけたら素敵だなと思っている。暖簾プロジェクト(と一人で勝手に言っている)も進めたいけど、なかなかそこまで手がまわらない。来年こそはがんばろう。
エプロンを染めながら思ったのは、ボロ(BORO)への道はなんと険しいこと。以前行ったBORO展のボロは、中には相当なボロボロを繕っているものもあった。それを丁寧に刺し子して補強しながら、長く着続けた結果、BOROになるんだなぁと分かった。現代では物が溢れていて、ひとつの物をボロボロになるまで着ることは意外とむずかしい。人の目も気になるし、会社員だったりするとさらにハードルは高くなる。物がない時代で、布が貴重だったからこそ生まれたBORO。私のエプロンも、私が死ぬまで補修しながら着たら、それはBOROになるのだろうか?目指してみたい気もする。それには、相当な強い意思が必要だけれど、もともと物欲が少ないので達成できそうな気もしている。首もとの生地が少しボロボロっとしているので、ここは気が向いたら刺し子してみよう。私のBORO道はまだ始まったばかり。もっともっとボロボロになるくらい仕事もしないとなぁ。。。