手しごと日記:楽しくデザインする

今日の手しごと日記は、キルトのデザインについてです。どんな風にデザインしているのかというと、スケッチブックに色鉛筆でデザイン画を描いたり、布のハギレを小さく切って、実際に色のバランスを決めながらコラージュしてみたり、手元にある様々な形の布をそのまま壁に配置して、自分では到底考えつかない、偶然の形を生かしながら縫いつなげたり、たまにトラディショナルなデザインも試みたりしています。毎回模索しながらデザインしています。

デザイン画

小さな布を糊で貼るコラージュ。

コラージュ

デザイン画やコラージュから、実際に布でつなぎ合わせると、イメージしていたものと少し違う感じに出来上がることがあります。そこからもう一度、バランスを変え、色を差し替えながらイメージに近づけていきます。ひとつのデザインを完成させるのに、数枚縫うこともあります。

デザイン

私が染めている草木染めの布は、落ち着いた色味が多いので、単純に縫いつなげるだけでは、どうしても和の雰囲気になってしまいます。和風も大好きなのですが、キルトのデザインに関しては、モダンな雰囲気に近づくような色使い&デザインで作りたいと思っています。

モダンキルト

意外に思うかもしれませんが、細かいデザインは、時間は掛かりますがデザインとしてはバシッと成立します。一方、モダンなデザインは、色数や配色のバランスを見極めるのが大変難しく、日々の練習が大切であると思っています。それをキルト以外の小さな作品、例えばノートカバーや鍋敷き、湯たんぽカバーなどにも反映させようとなると、バランスを取るのが難しいのです。この部分を生かすためには、ここはもう少し小さくとか、そういった細々した微調整を繰り返して作っています。

湯たんぽカバー

キルトのデザインで参考にしているのは、美術館に行った時に購入した画集や型染めの本を眺めることが多いです。海外のキルターのキルトを参考にすることもあります。秘かに憧れている、画家でもあるオーストリア人のキルターがいます。彼女のデザインするキルトは、色使いやバランスがすばらしくて、見ていて飽きません。私も、ずっと眺めていられて、気持ちがふわっと癒やされるキルトを作ることが目標です。

頭で考える事も大事ですが、考えすぎると手が止まってしまうので、何はともあれ「楽しくデザインする」ことを心がけて布と向き合っています。最近は、これは練習!修行!だと思って取り組むと肩の力が抜けて、キルトをデザインするって楽しい!という気持ちが湧き上がってきます。楽しい気持ちで作ることができれば、作品を通して皆様にも伝わるはず!と信じて、今日もミシンを踏み続けます。