京都に住む友人が、田中直染料店でセールをやっていたからと蘇芳(スオウ)を送ってくれました。草木染め材料のプレゼントに小躍りするくらい喜ぶ自分がいたなんて驚きです!初めての蘇芳、どんな色に染まるのか楽しみです♪
これが蘇芳。蘇芳(すおう)とは、「インド、マレー半島原産のマメ科の木。古く中国経由で日本に伝わり、王朝の貴人たちの衣服を飾った。江戸時代によく使われた染料であり、ミョウバン媒染で赤色、鉄媒染で黒がかった紫色になる。薬効にも優れる」なのだそう。
蘇芳のチップ。荒削りの鰹節のよう。
焼きミョウバンを溶かしておいた媒染液に布を入れておきます(先媒染)
通常の使用量は生地の重さの半量〜同量。今回は蘇芳150gを使って、いろいろな布を染めていきます。
5Lの水と食酢50ccを入れて、沸騰後20分煮出す。食酢を入れる理由は、色素が糖と結合した状態を分解するためらしいです。こちらの記事は、茜についてですが、蘇芳も同じ理由から酢を入れるのではないでしょうか。
布で濾します。染液の色は黄味がかっているように見えます。
先媒染しておいた布を水洗いし、染液に入れ20分煮染めします。布を入れたらあっという間に赤く染まりました。この早さにはびっくりです!
「先媒染→煮染め→媒染→煮染め」を繰り返します。
今回用意した染液は、色の違いを実験するために下記のように分けてみました。6番液以降も色が出そうでしたので、いったんスオウを乾燥させてハサミで切って次回まで保管しておきました。茜や蘇芳などのチップ系のものは簡単には捨てずに何度も煮出すと美しいグラデーションに染められます。
①1+2番液の合計10L ②3番液5L ③4番液5L ④5番液5L ⑤6番液5L
何枚か鉄媒染もしました。ミョウバン媒染の後に、鉄媒染をすると中間色になると本に書いてあったので、生地の重さの3%の木酢酸鉄液を入れた媒染液に20分ゆらゆら浸しました。
これ以上染まらなさそうな最後の薄い染液に入れた布は、なぜかクリーム色になりました。その後、とりあえず水洗いし、ミョウバン液に浸しておいたら、淡いピンク色に変わりました。不思議です!
リネンガーゼのストール。こういった薄地の生地は残液でも十分に染まるので、多めに準備しておくと無駄なく染液を使い切れるのでおすすめです。
ハーフリネンの布。左から2枚は鉄媒染、右から3枚はミョウバン媒染。
リネン100%厚地の布。やっぱりリネン100%の発色はとても良い。リネンの光沢感が植物から得た色とは思えない美しさを演出してくれます。
染めても染めてもどんどん染まる蘇芳!150gの蘇芳から生地20枚は染めたでしょうか。染液を捨てるタイミングが分からないほど染まります。
ただ、 蘇芳は濃く染まりやすいけれども、水洗いで色落ちしやすく湿気に弱いそうです。それでも何度も染めてみたくなるような美しい色でした。色褪せても染め直せばそれでよし!京都の友人に感謝感謝です!
【今回参考にした本】