たまねぎの外皮による染色は、ヨーロッパでは古くから行われていて、ペルシア絨毯や毛織物、木綿などの染色に重要な染料となっています。たんぱく処理をしなくても木綿や麻にもよく染まるので、初めて草木染めに挑戦される方にはおすすめです。たまねぎの皮をためるのに時間がかかりますが、むいた皮を紙袋にどんどん入れ、冷蔵庫の上にポンと置いておきます。そうするとカビが生えることもなく、乾燥した状態を保てます。
【材料】ストール生地2枚 玉ねぎの皮80g 焼きミョウバン 水
染めたい布の半量の玉ねぎの皮を用意します。水をひたひたに入れ、沸騰後30分煮出します。今回は1番液と2番液の合計8Lの染液を用意しました。
煮出している間に、媒染液を作ります。布の重量の3%の焼きミョウバンを少量の熱湯で溶かし、水を注いで媒染液を作ります。今回は、以前淡く染めておいたストール1枚と、きなり色のストール1枚を染めます。玉ねぎはたんぱく処理をしなくてもよく染まるので、下処理なしで媒染液に浸けます。染液ができるまで、媒染液の中に浸しておきます(先媒染)。
30分後、たまねぎの液を濾します。いい香り〜
先媒染したストールを軽く水洗いしてから絞り、広げながら染液の中に入れ、30分ほど煮染めします。
染液がぬるくなったら軽くストールを水洗いし、媒染液に30分ほど浸します。その後、「煮染め→媒染→煮染め」を好みの色になるまで繰り返します。
こちらの色は、以前淡く染めて置いたストールのほう。
こちらは、生成り色のストールを染めたもの。
その後、実験も兼ねて、もう一度たまねぎ染めをしました。1番液だけで染めたストールが右の渋いオレンジ色。2番液だけで染めたストールが左の黄色です。2番液の方が茶味が取れ、黄色が強く出ました。
たまねぎは日々のお料理に欠かせない食材。その皮からこんなに美しい色が染まります。いつもの台所で、気軽に染め直しができるのもたまねぎ染めの魅力のひとつ。淡くなったストールを染め直すと、まるで新品のように蘇るのも嬉しい。